キイハンター欠番 #9 仏像の葬【1】

06空港(日本)夜

航空アンテナがぐるぐる回る。
遠くで大型機の爆音が聴こえる。
と、救急車や消防車であろうかサイレンの騒音が近くで響く。

07管制塔

緊張した管制官が夜空を仰いでいる。
管制官Bが駆け込んでくる。

 

管制官B
「なぜ機に緊急連絡をしないのですか」

 

管制官A
「できない」

 

管制官B
「何故です?!」

 

管制官A
「すべてが遅すぎる。それに第一、異常を裏付ける確証は何一つないのだからねぇ・・・・。その上相手は普通の乗客じゃない。特別機だ。」

 

管制官Bも遮って大空を仰ぐ。

 

08村岡の部屋

キイハンター 欠番 サブタイトル

黒木の前に村岡が立って歩き回る。

 

黒木
「・・・しかしねぇ、香港内部で何かのトラブルだって考えられるわけでしょう?」

 

 

 

 

 

 

村岡
「その程度なら君にわざわざ来てもらいはしない。その給油車が問題の旅客機に給油しているのだ。事件はその直後に起こっている。決して単なる殺しじゃない・・・・・・。私はそう思うのだが。」

 

黒木
「飛行機爆破?」

 

村岡
「とすれば、もう我々の手じゃどうすることも出来ない。後僅かな時間で着陸してしまうのだからねぇ。然し我々とって最悪のケースは、何の異常もなく着陸してしまった場合だ。」

 

黒木
「乗ってるものは、遺骨とその遺族だけだと言ったね?・・・」

 

村岡
「そうそのための特別機だ」

 

09空港ロビー

キイハンター欠番 サブタイトル

黒い喪服の集団が待つ中に、遺骨を抱いた遺族が出てくる。
報道関係のフラッシュが点滅する。
遺骨にすがって泣く老婆、茫然自失の男。

 

 

−−−遺骨の帰還である。

 

キイハンター 欠番 サブタイトル 

10夜の道

遺骨を乗せた5台の車が次々に走ってくる。
大きな交差点で1台の車が左折する。
お互いに無言の挨拶を窓の中から送り別れて行く。

 

と、鋭い大きな音がして列の車の1台が急停車する。

 

−−−パンク

 

遺骨の車群が停車する。

 

 

キイハンター 欠番 サブタイトル 

 

 

11交差点脇

遺骨の車から少し離れた道路横に一台の車がゆっくり停まる。

 

−−−島だ。

 

キイハンター 欠番 サブタイトル 

 

運転席から前方の突発事を眺めている。

 

×

 

パンクの車の運転手が恐縮そうに降りてくる。他の遺骨の運転手も乗ってくる。
パンクの運転手が帽子をとって何か説明している。
幾度も頭を下げる。他の運転手たち、仕方ないといった顔で散る。
そして次々に発進した。

12遺骨の帰る住宅街

道が狭く、数人の遺族が遺骨を中心に歩いている。

 

×

 

その物陰にこの様子を眺めている津川が居る。

 

 

キイハンター 欠番 サブタイトル 

13大通り

車が停まる。前に大きなマンション。
遺骨がその中に吸い込まれる。

 

×

 

津川同様、この様子を眺める風間。

14黒木の部屋

黒木を中心に風間、島、津川、谷口の面々が集まっている。

 


「遺骨の主は何なんですか?」

 

黒木
「登山隊だ。新聞でも報道されたが、その遭難者たちだ。」

 

キイハンター 欠番 サブタイトル

 

谷口
「グレンヒルの学術登山隊。」

 

キイハンター 欠番 サブタイトル

 


「えっ、じゃまさかその遺族を?」

 

黒木
「飛行機には彼らしか乗っていなかたんだからね」

 


「でも・・・」

 

黒木
「・・風間君、もう一度、そのマンションの説明をしてくれないか。自分の家を持ち、古くからそこに住んでるというだけで人間は大分臆病になるものだ。そういった意味でマンション等にはそのアリバイがない訳だからねぇ」

 

風間
「説明って・・・・唯<<入居者募集中>>って看板つきの真新しいマンションで・・・」

 

黒木
「えっ?!」

 

風間
「まだ空室がいっぱい、、」

 

黒木
「(谷口に)登山隊が日本を出発したのは何時頃だったかな・・・」

 

谷口
「4月18日、、、2か月と4日前」

 

黒木
「じゃ遺骨の主が骨になってから引っ越したってことも十分考えられる。・・・何故だ?!」

 

15暗い部屋

ズシン、ズシンと何か鉄柱でも打ち込んでいる音が定期的に部屋の中に響いてくる。

 

一筋の光線が卓上を照らし、そこに幾枚かの写真が見える。

 

−−−島だ!!

 

 

キイハンター 欠番 サブタイトル

 

 

パンクの車を見張っていた島の顔だ。それどころじゃない。風間も津川も谷口のもあるではないか。数人の影の男が卓上の写真を眺めているらしい。

 

 

キイハンター 欠番 サブタイトル 

 

 

 

影の男A
「あの空港での騒ぎは明らかに香港のニュースが伝わってのことに違いない。フフフ・・・ただし何もわかっちゃいないようだ。消防車、救急車の出動は少し大げさだ。だが気になるのはこいつらだ。(と卓上の写真を指し)ただの野次馬じゃない。警察か、それとも我々の計画を知った別な組織か。」

 

影の男B
「・・・とすりゃ、奴らはこの他に・・・・?」

 

影の男A
「フフフ・・・居る筈だ。」

 

 

 

 

キイハンター 欠番 サブタイトル 

 

 

>>キイハンター欠番 仏像の葬 (2)へつづく